寅さんロケ地！石垣が美しい薬師院・松連寺

薬師院は、寛和年間（985～987年）に花山法皇が開基したと伝わる真言宗の寺院です。本堂の薬師堂は元和10年（1615年）の建築で、勾配のきつい大屋根や桃山風の特徴が随所にみられ、県の重要文化財に指定されています。一方、松連寺は明暦3年（1657年）に備中松山藩主水谷伊勢守勝隆によって現在地に移築されました。城の砦としての役割も担っていたため、石垣はまるで城郭のような堅固な造りとなっており、見ごたえがあります。

両寺院ともに、備中松山城の城下町を形成する上で重要な役割を果たしてきました。薬師院の境内には、高梁の殖産興業に貢献した中村源蔵の碑があり、また松連寺の観音堂には、豊臣秀吉の朝鮮出兵の際に岡山城主宇喜多秀家が使用した御座船の格天井と船戸が残されており、いずれも県指定重要文化財です。歴史的な建造物や文化財が点在しており、備中松山城と合わせて歴史探訪を楽しむのに最適な場所です。


【豆知識】
薬師院の本尊である薬師瑠璃光王如来は、50年ごとに秘仏御開帳法要が行われます。また、薬師院は映画「男はつらいよ 口笛を吹く寅次郎」（1983年公開）のロケ地としても有名で、映画ファンには特におすすめの場所です。