三次市の石畳商店街

三次市の石畳商店街は、三次本通り商店街として知られ、広島県三次市三次町に位置します。江戸時代、三次藩の城下町として、また山陰と山陽を結ぶ交通の要衝、宿場町として栄えました。その繁栄の名残として、防火目的で造られた「卯建（うだつ）」のある古い商家や、御影石が敷き詰められた美しい石畳の通りが今も残っています。2018年には都市景観大賞都市空間部門「優秀賞」を受賞するなど、その歴史的価値と景観美が高く評価されています。

通り沿いには、歴史を感じさせる建物を利用したカフェやパン屋、雑貨店などが点在しており、散策しながらお店巡りを楽しめます。地元の食材を使った料理を提供する飲食店や、伝統的な和菓子を販売する店もあり、三次ならではの味覚に出会うことができます。夜にはイベント時に「もののけ灯篭」が設置され、三次市ゆかりの妖怪伝説「稲生物怪録（いのうもののけろく）」の世界観を体験できるなど、昼間とは異なる幻想的な雰囲気を楽しめます。

この商店街は、単なる観光地としてだけでなく、地元の人々の暮らしに溶け込んでいるのが特徴です。昔ながらの風景と、新しく生まれ変わった店舗が調和し、訪れる人々を温かく迎え入れてくれます。歴史散策や食べ歩き、お土産探しなど、様々な楽しみ方ができる、三次市を代表する観光スポットです。