岡山伝説の由縁 国宝の吉備津神社

吉備津神社は、岡山県岡山市北区吉備津に鎮座し、桃太郎伝説のモデルとされる吉備津彦命（きびつひこのみこと）を主祭神として祀る、備中国一宮です。本殿は、他に類を見ない独特の建築様式「吉備津造り（比翼入母屋造）」で、国宝に指定されています。屋根が2つ並んだような形が特徴で、その雄大で美しい姿は圧巻です。拝殿も国の重要文化財に指定されており、建築美をじっくりと堪能できます。

この神社の最大の魅力は、全長約360mに及ぶ壮大な「回廊」です。自然の地形に沿ってS字に緩やかにカーブしながら続く回廊は、季節ごとに表情を変える美しい景観を作り出します。特に新緑や紅葉の時期は、その美しさが一層際立ち、写真撮影スポットとしても人気です。回廊を歩くことで、神聖な空間を巡るような、特別な体験ができます。

また、吉備津神社は、桃太郎伝説にまつわる「鳴釜神事（なるかましんじ）」でも有名です。釜の鳴る音で吉凶を占うというこの神事は、全国的にも珍しく、参拝者の関心を集めています。桃太郎のお守りや絵馬も人気で、旅の思い出にぴったりです。歴史と伝説、そして美しい建築物が融合した吉備津神社は、岡山観光で外せないパワースポットです。


【豆知識】
吉備津神社は、吉備津彦神社のモデルとなったとされる「温羅（うら）」を討伐したとされる吉備津彦命が、温羅の首を埋めたとされる場所です。鳴釜神事は、その温羅の祟りを鎮めるために始まったという伝説があります。

【穴場スポット情報】
本殿の裏手には、「吉備津神社御供殿（ごくうでん）」があり、その周辺には四季折々の草花が咲き、静かで落ち着いた雰囲気です。また、回廊の途中にある「御竈殿（おかまでん）」では、鳴釜神事が行われる様子を垣間見ることができます。时间に余裕があれば、回廊の脇道に逸れて、自然豊かな森の中を散策してみるのもおすすめです。