瀬戸内海の絶景 - 八栗寺

八栗寺（やくりじ）は、香川県高松市にある標高約375mの五剣山の中腹に位置する、四国八十八ヶ所霊場の第八十五番札所です。古くから屋島合戦で有名な屋島の戦いの舞台ともなった景勝地にあり、その歴史と景観が融合した魅力的な寺院です。参拝にはケーブルカーを利用するのが一般的で、わずか4分ほどで山頂駅に到着。ケーブルカーから望む瀬戸内海の眺めも格別です。

山頂駅からは、趣のある参道を少し歩くと境内に到着します。目を引くのは、朱塗りの鮮やかな多宝塔（国の重要文化財）。その美しさは、五剣山の緑と青い空に映え、多くの参拝者や観光客を魅了します。本堂や大師堂は岩肌に寄り添うように建ち、この地の厳しい自然と信仰の深さを感じさせます。また、境内からは、瀬戸内海の多島美や高松市街地を一望できる絶景が広がっており、特に夕暮れ時は息をのむ美しさです。

八栗寺は、弘法大師空海が虚空蔵菩薩を祀ったと伝えられる由緒ある寺院であり、商売繁盛や学業成就にご利益があるとされています。気軽にアクセスできるため、遍路巡礼者だけでなく、一般の観光客にも人気のスポットです。

寺伝によれば、空海（弘法大師）がここで虚空蔵求聞持法を修めた際、五本の剣が天から降り蔵王権現が現れて、この地が霊地であることを告げたとされています。

本堂は、高さ約20メートルの八角形の建物で、国指定重要文化財に指定されています。本尊の聖観音菩薩像は、木造の立像で、国指定重要文化財に指定されています。