国宝の薬師如来坐像 - 新薬師寺

奈良市高畑町に位置する新薬師寺は、奈良時代に光明皇后が夫である聖武天皇の病気平癒を願って創建したと伝えられる、由緒ある古刹です。創建当時は、大規模な伽藍が立ち並んでいましたが、現在は本堂のみが残っています。この本堂は、奈良時代の再建とされており、力強い柱や、重厚な屋根が印象的な、日本の古建築の美しさを今に伝えています。派手さはありませんが、その素朴で力強い美しさが、多くの参拝者を惹きつけます。

新薬師寺の最大の魅力は、国宝に指定されている本尊の薬師如来坐像と、その周囲を囲む十二神将立像です。本尊は、眼差しが力強く、ふくよかな表情が印象的な、奈良時代の木彫仏の傑作とされています。そして、その周囲に配された十二神将像は、それぞれが異なる表情とポーズで、躍動感にあふれています。12体が揃って現存するものは珍しく、その迫力は圧巻です。
眼病にご利益があるとされています。