小泉八雲の旧居と武家屋敷

小泉八雲旧居は、八雲が松江での新婚生活を送った約5ヶ月間暮らした場所で、質素ながらも日本らしい趣のある木造家屋です。八雲はここで日本の文化や風習を深く学び、後の著作「怪談」などに繋がる多くのインスピレーションを得ました。障子越しに差し込む光、季節の移ろいを映す庭など、八雲が心惹かれた日本の美意識を感じ取ることができます。正直なところ、派手さはありませんが、八雲の視点で日本を捉え直す静かな感動があります。

旧居のすぐ隣には、当時の松江藩の中級武士の住まいを再現した武家屋敷があります。質実剛健な武士の暮らしぶりを伝える造りで、座敷や台所、庭などが当時のままの雰囲気で残されています。屋敷内部では、当時の生活用品や武具なども展示されており、江戸時代の武士の日常を垣間見ることができます。庭園も美しく整備されており、四季折々の表情を見せてくれます。

塩見縄手全体が、松江の城下町の面影を色濃く残しており、散策するだけでも風情を感じられます。堀川遊覧船の乗り場も近くにあり、水辺からの景色も楽しめます。**このエリアは、松江城の賑やかさとは異なり、落ち着いた雰囲気の中でじっくりと歴史と文学に浸りたい方には最適です。**特に、八雲の文学作品に触れてから訪れると、より深くその魅力を感じることができるでしょう。


【豆知識】
・小泉八雲は、アイルランド生まれのギリシャ系イギリス人作家で、日本に帰化しました。日本の文化や民俗、幽霊話などを海外に紹介したことで知られています。

・小泉八雲旧居の庭には、八雲が愛したとされる椿の木があります。

・塩見縄手は、堀川沿いの小道で、「塩」はかつて塩を運んだ道、または藩主の家臣である「塩見氏」の屋敷があったことに由来すると言われています。

【穴場スポット情報】
塩見縄手の中ほどにある**「明々庵（めいめいあん）」**は、松江藩主松平不昧公ゆかりの茶室を移築したもので、美しい日本庭園と共に抹茶を味わえる静かな穴場です。城下町の喧騒から離れて、日本の伝統文化と美意識に触れる、落ち着いた時間を過ごせます。