カルスト台地の秋吉台

秋吉台は、約3億5千万年前に南の暖かい海でサンゴ礁として誕生し、長い年月をかけて隆起、風化を繰り返して現在の姿になりました。広大な台地には、白い石灰岩がまるで羊の群れのように顔を出し、牧歌的でありながらも地球の悠久の歴史を感じさせる独特の景観を作り出しています。展望台からは、360度の大パノラマでこの雄大な景色を一望でき、四季折々の表情を見せる大自然を満喫できます。特に、春の山焼き後には新芽が芽吹き、夏は深緑、秋はススキの穂が揺れる金色の世界へと変化します。

秋吉台の地下には、特別天然記念物に指定されている日本最大級の鍾乳洞「秋芳洞（あきよしどう）」が広がっています。総延長約10kmのうち、約1kmが観光ルートとして公開されており、「百枚皿」や「黄金柱」など、自然が作り出した神秘的で壮大な造形美を間近で見ることができます。洞内は年間を通して約17℃と一定しており、夏は涼しく、冬は暖かく快適に散策できます。秋吉台と秋芳洞は、地上と地下で異なる地球の神秘を体験できる、世界的に見ても珍しいジオパークです。


【穴場スポット情報】
秋吉台の北東部に位置する「長者が森（ちょうじゃがもり）」は、秋吉台の最高峰であり、あまり知られていない穴場スポットです。見晴らしが良く、カルスト台地の全景をより静かに、独占的に楽しむことができます。また、秋吉台の石灰岩を間近で観察できる「ドリーネ」や「ラピエ」といった地形も、散策しながら見つけると、地球の息吹をより身近に感じられます。