天守現存の松山城

松山城は、賤ヶ岳の七本槍の一人、加藤嘉明が1602年に築城を開始し、約25年かけて完成させました。現在の天守は、江戸時代後期に再建されたもので、現存12天守の中では最も新しいとされています。天守を中心に、小天守や櫓などが連なる「連立式天守」の構造は、姫路城と並ぶ日本三大連立式平山城の一つとして知られ、その堅固さと美しさは圧巻です。天守内部では、当時の槍や刀剣、甲冑などの貴重な資料が展示されており、歴史好きには見どころ満載です。

松山城は、城山全体が国の史跡に指定されており、広大な敷地内には、重要文化財に指定されている21棟もの建造物が点在しています。特に、二之丸から本丸にかけて築かれた「登り石垣」は、現存する城郭では松山城と彦根城にしか確認されていない珍しい防備手法で、必見です。

山頂へは、ロープウェイまたはリフトで手軽にアクセスでき、山頂駅から天守までは徒歩約10分です。天守からの眺望は、ミシュラン・グリーンガイド・ジャポンで1つ星を獲得するほどの絶景で、松山市街や瀬戸内海、遠くの山々まで見渡せます。


【豆知識】
松山城は、現存12天守の中で唯一、瓦に葵の御紋が付されています。これは、築城後に徳川親藩（松平家）の城となったためです。また、天守の中には、再建時の大工さんが描いたとされる侍の似顔絵の落書きが残されており、見つけるとちょっとしたサプライズです。

【穴場スポット】
松山城の二之丸には、「二之丸史跡庭園」があります。藩主が暮らした御殿跡で、池や庭園が美しく整備されています。特に、庭園の「心字池」は、恋愛成就のパワースポットとしても人気です。天守とは異なる趣があり、ゆっくりと散策を楽しめます。

【お役立ち懸念点】
松山城は山の上にあり、ロープウェイやリフトを利用しても、天守までの道のりは一部坂道や階段があります。特に夏場は暑くなるため、水分補給をしっかり行い、歩きやすい靴で訪れることをおすすめします。
また、駐車場は有料で台数も限られているため、公共交通機関の利用を検討するのも良いでしょう。二之丸史跡庭園専用駐車場は、無料で利用できますが、ロープウェイ乗り場へは遠いです。