恵那の天空の城 岩村城跡

岐阜県恵那市にそびえる岩村城跡は、標高717mの急峻な山上に築かれた山城で、備中松山城、高取城と共に「日本三大山城」の一つに数えられます。鎌倉時代から戦国時代にかけて、女城主として知られるおつやの方が治めた歴史を持つなど、女性が城主を務めた珍しい城としても知られています。現在は石垣が残るのみですが、その堅固な石垣の積み方は見事で、当時の築城技術の高さと、難攻不落の城としての威厳を感じさせます。

岩村城跡の最大の魅力は、気象条件が揃うと発生する「雲海」です。特に秋から冬にかけての早朝、霧が深く立ち込める日には、城跡が雲海に浮かび上がる幻想的な「天空の城」の姿を見ることができます。この絶景を求めて、多くの写真愛好家や観光客が訪れます。城跡までは、舗装された道を歩いて登る必要があり、少し体力は必要ですが、その先に広がる雄大な景色は、登山の疲れを忘れさせてくれるほどの価値があります。

城跡の麓には、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されている岩村城下町が広がっています。古い町並みを散策し、五平餅やカステラなどの地元グルメを楽しんだり、酒蔵や資料館を見学したりするのもおすすめです。