枯山水の方丈庭園で有名 龍安寺

京都市右京区に位置する龍安寺は、室町時代に細川勝元によって創建された臨済宗妙心寺派の禅寺です。ユネスコ世界文化遺産「古都京都の文化財」の一部として登録されており、特に「石庭」として知られる方丈庭園は、日本の枯山水庭園の最高傑作の一つとされています。白砂に大小15個の石が配置されたこの庭園は、どの位置から見ても必ず1つだけ石が見えないように設計されていると言われ、その謎めいた構成が観る者の心を惹きつけます。

石庭は、禅の精神である「無」や「空」を表現しているとも言われ、視覚的な美しさだけでなく、見る人の内面に問いかける奥深さがあります。方丈から庭園を眺める静かな時間は、日常の喧騒を忘れさせ、心を落ち着かせてくれます。また、境内には、池泉回遊式庭園の「鏡容池（きょうようち）」も広がり、四季折々の美しい自然が楽しめます。春には桜、秋には紅葉が彩り、特に桜の時期には、石庭の塀越しに枝垂れ桜が顔を出す風景が人気です。