足利尊氏が創立の天龍寺

京都市右京区嵯峨嵐山に位置する天龍寺は、室町幕府初代将軍足利尊氏が、後醍醐天皇の冥福を祈るために創建した禅寺です。開山は、当時の高僧である夢窓疎石（むそうそせき）で、その広大な敷地と歴史的価値から、ユネスコ世界文化遺産「古都京都の文化財」の一部に登録されています。特に有名なのは、夢窓疎石自らが作庭したと言われる「曹源池庭園（そうげんちていえん）」です。嵐山や亀山を借景に取り込んだ池泉回遊式庭園は、四季折々の美しい表情を見せ、見る者を魅了します。

大方丈や書院、多宝殿などの諸堂を巡りながら、曹源池庭園の様々な角度からの眺めを楽しむことができます。また、法堂の天井には、日本画家加山又造画伯によって描かれた大迫力の「雲龍図」があり、どの角度から見ても龍に睨まれているように見えることから「八方睨みの龍」と呼ばれています。その他にも、庫裏（くり）の正面玄関に掲げられた達磨図など、禅の精神を伝える見どころが多数あります。

禅寺として京都五山の第一位を誇る格式があります。「古都京都の文化財」として世界遺産にも登録されています。

＜京都五山＞
南禅寺（別格）
第一位：天龍寺
第二位：相国寺
第三位：建仁寺
第四位：東福寺
第五位：万寿寺

庭園も嵐山をとりいえれば見事な池泉回遊式の借景庭園です。


【穴場スポット】
曹源池庭園を一周するだけでなく、庭園の北側に広がる「百花苑（ひゃっかえん）」は、四季折々の花が咲き、比較的静かに散策を楽しめるエリアです。特に、百花苑の奥には竹林の小径へ続く北門があり、嵯峨野の竹林へスムーズに移動できます。