うさぎの岩がある白兎海岸

白兎海岸の沖合約150mに浮かぶ「淤岐ノ島」は、神話の中で白うさぎがワニザメをだまして渡ろうとしたとされる岩島です。海岸から島へ向かって点々と続く黒い岩礁帯は、まるでワニザメの背中のように見え、古事記の世界をリアルに感じさせてくれます。この神秘的な景観は、写真愛好家にも人気です。夏季には海水浴場として賑わいますが、波は穏やかで、マリンスポーツの設備は整っていません。

海岸の東側には、ハマナスの自生南限とされる群生地があり、国の天然記念物に指定されています。例年5月中旬から6月中旬にかけて淡い紅色の花が咲き、甘い香りが訪れる人を歓迎します。

白兎海岸は「恋人の聖地」にも認定されており、海を見下ろす「白兎の丘」には愛の鐘やフォトスタンドが設置されたフォトスポットがあります。隣接する白兎神社では、御身洗池（みたらいいけ）と呼ばれる池での清めの伝承にも触れることができ、神話の世界を体感しながら美しい景色を楽しめます。


【豆知識】
神話では、うさぎが傷ついた体を「御身洗池」の真水で洗い治したとされます。

淤岐ノ島と海岸の間に続く黒い岩礁は、実際に古事記の描写に倣って「ワニザメの背」と呼ばれています。