朱色が美しい国宝の明王院

明王院の最大の魅力は、国宝である本堂と五重塔の美しさにあります。本堂は、鎌倉時代中期の1321年に建立されたもので、その質実剛健な造りと細部の意匠が歴史の重みを伝えます。一方、五重塔は1348年に建立され、和様を基調としつつ唐様の要素を取り入れた折衷様式が特徴です。この二つの国宝建築が並び立つ姿は壮観で、実際に目の当たりにするとその堂々たる佇まいに感動を覚えるでしょう。

境内は喧騒を離れた静かで落ち着いた雰囲気に包まれ、歴史ある伽藍と豊かな自然が調和しています。桜や紅葉の季節には建造物と自然のコントラストが一層美しく、散策路をゆっくり歩けば数百年を超えて受け継がれる歴史と信仰に触れることができます。

明王院はかつて中世の港町「草戸千軒」の鎮護を担った寺院でもあり、その歴史的背景も興味深い点です。静かな環境の中で日本の伝統建築の美しさや歴史のロマンを感じたい方には、ぜひ訪れていただきたい場所です。


【穴場スポット情報】
山頂付近には、「草戸山公園展望台(いつもの展望台)」があり、福山市を360度見渡せる絶景の展望台があります。夜景もきれいに見えます。
駐車場が展望台付近にありますが、夜間は閉鎖されているので注意が必要です。

明王院から南に車で20分ほどのところに江戸時代の町並みと港が残る鞆の浦があります。