明石城と明石公園

明石城は、徳川秀忠の命で元和4～5年（1618–1619）に築かれた西国備えの要地で、堅牢な高石垣と戦闘性を意識した縄張が特徴です。本丸隅には三層の巽櫓・坤櫓が現存し、いずれも国の重要文化財。天守は築かれませんでしたが、天守に匹敵する威容の櫓が海と西国街道を睨みます。

本丸跡に建つ巽櫓・坤櫓は、全国に12基しか現存しない三重櫓のうちの2基で、国の重要文化財に指定されています。

園内の見どころは、剛ノ池の水辺と桜並木、そして“武蔵の庭園”。剛ノ池では手こぎ・スワンボートが人気で、春は水面から360度の桜景色、秋は紅葉が映えます。大名庭園を再現した「武蔵の庭園」は、明石の町割りに関わった宮本武蔵が手掛けたと伝わる樹木屋敷をモチーフに整備されたエリアで、池泉や築山がしっとりとした高雅さを演出。歴史と自然、写真映えが一度に楽しめます。

春は「日本さくら名所100選」に数えられる桜の名所として知られ、毎年多くの花見客で賑わいます（園内の本数は約1000～1400本と案内に幅あり）。季節ごとに両櫓の特別公開も行われ、2025年秋は坤櫓が土日祝限定で内部公開（10:00〜16:00）。