天守現存の国宝 犬山城

愛知県犬山市、木曽川のほとりの小高い山上にそびえる犬山城は、現存する天守としては日本最古の様式を持つ、国宝に指定された貴重な城です。戦国時代に築城され、織田信長ゆかりの武将が城主を務めた歴史を持ち、「白帝城」とも称されるその優美な姿は、訪れる人々を魅了します。天守の最上階からは、悠々と流れる木曽川や、遠く御嶽山、恵那山まで見渡せる雄大なパノラマが広がり、その絶景は息をのむほどです。

城内は、急な階段や急勾配の木造の造りがそのまま残されており、当時の雰囲気を肌で感じることができます。各階には、武者走りや石落としなど、城の防御の仕組みが解説されており、歴史好きにはたまらない見どころが満載です。また、天守の木材や構造からは、当時の建築技術の高さと、幾多の戦乱を乗り越えてきた城の歴史の重みを感じることができます。

犬山城の周辺には、風情ある城下町が広がり、食べ歩きグルメやお土産探しも楽しめます。歴史的建造物も点在しており、城と合わせて城下町を散策するのもおすすめです。特に桜の季節は、城と桜のコントラストが美しく、多くの花見客で賑わいます。

【豆知識】
犬山城は、個人所有の城から国宝に指定された唯一の城です。2004年まで成瀬家が個人所有していましたが、現在は公益財団法人犬山城白帝文庫が所有・管理しています。