鬼の棲む地獄 - 登別地獄谷

登別地獄谷は、北海道登別市に位置する、登別温泉最大の源泉地帯で、1日1万t以上の温泉が湧き出ています。活火山である日和山の爆裂火口跡で、谷全体から噴き出す白い噴煙と強烈な硫黄の匂いが立ち込め、まるで地獄絵図のような荒々しい景観が広がっています。その独特な光景から「地獄谷」と名付けられ、北海道を代表する観光スポットの一つとなっています。遊歩道が整備されており、間近で迫力ある噴煙や湧き出す温泉、大小さまざまな噴気孔を観察することができます。

地獄谷の周辺には、鉄泉池や大湯沼など、さまざまな泉質の温泉が湧き出ています。特に「大湯沼」は、周囲約1km、水深約22mのひょうたん型の沼で、表面温度は約40～50度と熱く、湯けむりが立ち上る様子はまさに自然の神秘です。大湯沼から流れ出す「大湯沼川天然足湯」では、自然の温泉に足を浸して、散策の疲れを癒すことができます。この足湯は、森林浴と温泉浴を同時に楽しめる、隠れた人気スポットです。

夜間には「鬼火の路」としてライトアップされ、昼間とは異なる幻想的な雰囲気を楽しめます。硫黄の匂いが漂う中、ぼんやりと浮かび上がる噴煙は、まさに「鬼の棲む谷」を彷彿とさせます。自然の力強さと神秘性を肌で感じられる、五感で楽しむことができる場所です。